「相談できる右腕がいない」院長へ。事務長機能を外部に持つという選択肢
「診療は好きだけれど、経営や人の問題を考える時間が重い」「スタッフのこと、お金のことを、本音で相談できる相手がいない」。
開業から数年が経ったクリニックの院長から、こうしたお話をうかがうことがよくあります。
私自身、医療法人の事務長として、採用や組織づくり、経営改善に携わってきました。その実務の中で感じるのは、院長が本来の力を発揮できるかどうかは、「事務長の役割」を誰が担っているかで大きく変わるということです。
この記事では、事務長機能とは何か、そしてそれを確保するための選択肢について整理します。
院長がひとりで抱えがちな仕事
多くのクリニックでは、院長が診療の合間に次のような仕事をこなしています。

ひとつひとつは小さな仕事に見えても、積み重なると大きな負担になります。特に、採用やスタッフ対応、数値管理、将来の計画といった「判断」を伴う仕事は、相談相手がいないと後回しになりやすく、気づいたときには問題が大きくなっていることも少なくありません。
そもそも「事務長機能」とは
事務長というと、「受付や事務のまとめ役」をイメージされるかもしれません。しかし、クリニック経営において本当に重要なのは、役職名ではなく次のような機能です。
事務長が担う4つの機能
- 経営判断を支える:売上・患者数・経費などの数字を見て、院長の意思決定を支える
- 人と組織を整える:採用、評価、面談、スタッフ間の調整を行い、働きやすい組織をつくる
- 院内の仕組みをつくる:業務フロー、マニュアル、ルールを整え、属人化を防ぐ
- 院長の壁打ち相手になる:経営の悩みや将来の構想を、立場を理解したうえで一緒に考える
この4つの機能が欠けると、クリニックでは次のようなことが起きやすくなります。
- 経営上の判断が後回しになり、機会を逃す
- スタッフの不満や人間関係の問題が、すべて院長に直接届く
- 数字の変化に気づくのが遅れ、対策が手遅れになる
- 院長が疲弊し、診療そのものにも余裕がなくなる
事務長機能を確保する3つの選択肢
事務長機能を確保する方法は、大きく分けて3つあります。

1. 院長が兼務する
追加の費用はかかりませんが、院長の時間と気力には限りがあります。また、経営や労務の知識を独学で身につける必要があり、判断に迷ったときに相談できる相手がいないという課題は残ります。
2. 常勤の事務長を採用する
院長の負担を大きく減らせる一方で、クリニック経営の経験を持つ人材は多くありません。採用に時間がかかることや、固定の人件費が継続して発生すること、そして人材によって成果に大きな差が出ることも考慮が必要です。
3. 外部の事務長機能サポートを活用する
必要な機能を、必要な範囲で外部の専門家に担ってもらう方法です。複数のクリニックを支援してきた知見を活かせることや、院内の人間関係に縛られない第三者の立場から提言できることが強みです。
どの選択肢が正解ということはなく、クリニックの規模や状況、院長の考え方によって最適な形は異なります。まずは、今のクリニックにどの機能が足りていないかを整理することから始めましょう。
外部の事務長機能サポートが向いているクリニック
次のような状況に当てはまる場合は、外部サポートの活用を検討する価値があります。
- 開業から数年が経ち、患者数は安定したが、次の打ち手が見えない
- スタッフが増え、人の問題に院長の時間が取られている
- 数字は税理士任せで、月次の経営状況を把握できていない
- 常勤の事務長を置くほどの規模ではないが、相談相手は欲しい
- 分院展開や法人化など、将来の構想を具体化したい
Medical Essentialの事務長機能サポート
Medical Essentialでは、クリニック事務長の実務を知るコンサルタントが、事務長の役割を月額の顧問サポートとして外部から担っています。机上の理論ではなく、現場で実際に機能する仕組みをご提案できるのが強みです。訪問の頻度や関わり方は、クリニックの状況に合わせて選んでいただけます。

「まずはオンラインで相談相手がほしい」という段階から、「週1回入り込んで業務改善を一気に進めたい」という段階まで、無理のない形でスタートできます。
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AUTHOR
北野 雄也 Medical Essential 代表
医療法人の事務長として、採用・組織づくり・経営改善に携わる。医療コンサルタントとして開業支援から経営改善まで幅広いプロジェクトを担当。事務長の実務経験をもとに、「院長の右腕」としてクリニックの数値管理・組織づくり・業務改善を月額の顧問サポートで伴走している。


