患者数・売上が伸びないクリニックが最初に見るべき5つのKPI

「最近、患者さんが減った気がする」「忙しいのに、思ったほど利益が残らない」。

院長からこうしたご相談をいただいたとき、私が最初にお願いするのは、感覚を数字に置き換えることです。

事務長として毎月の数字をまとめてきた経験から言えるのは、売上の変化には必ず理由があり、その理由は数字を分解すると見えてくる、ということです。

この記事では、クリニックの経営状態をつかむために、まず押さえておきたい5つのKPI(重要業績指標)をご紹介します。

売上は「患者数 × 単価」に分解できる

クリニックの売上(医業収入)は、とてもシンプルに分解できます。

クリニックの売上を分解したKPIツリー。売上は患者数と患者単価に分かれ、患者数はさらに新患数と再来患者数に分かれる

売上が落ちているとき、原因は「新患が減っている」のか、「再来が続いていない」のか、「単価が下がっている」のか。どこが落ちているかによって、打つべき手はまったく変わります。

たとえば新患が減っているなら集患やWeb対策、再来が減っているなら診療後の説明や予約の取り方、単価が下がっているなら算定の漏れや検査の運用、というように、原因ごとに対策が違うのです。

最初に見るべき5つのKPI

1. 新患数

新しく来院した患者さんの数です。地域での認知度や、ホームページ・Googleマップなどの集患施策の効果が表れます。前年同月との比較で見ると、季節変動に惑わされにくくなります。

2. 再来率(継続率)

初診の患者さんが、次回以降も来院している割合です。慢性疾患を多く診るクリニックでは特に重要で、診療の説明、待ち時間、受付の対応など、患者さんの体験全体が表れる数字です。

3. 患者単価

患者さん1人あたりの診療報酬です。同じ患者数でも、単価が変わると売上は大きく変わります。算定できるはずの加算が漏れていないか、検査や指導の運用が適切かを確認するきっかけになります。

4. 時間あたり患者数

診療時間1時間あたりに何人の患者さんを診ているかです。曜日別・時間帯別に見ると、混みすぎて待ち時間が長くなっている時間帯や、逆に空いている時間帯が見えてきます。予約枠やスタッフ配置の見直しに役立ちます。

5. 人件費率

売上に対する人件費の割合です。一般的に、クリニックの経費の中で最も大きな割合を占めるのが人件費です。適正な水準は診療科や運営形態によって異なるため、自院の推移を追うことが大切です。人件費率が上がっている場合は、人員配置や業務の偏りを見直すサインです。

数字は「月1回・同じ形」で見る

KPIは、一度見て終わりではなく、毎月同じタイミング・同じ形式で見続けることで意味を持ちます。

月次の経営ダッシュボードのイメージ。新患数、再来率、患者単価、時間あたり患者数、人件費率を前年同月と比較する

私自身の事務長としての経験でも、最初から凝った資料は必要ありません。大切なのは次の3つです。

月次チェックを続けるコツ

  • 毎月同じ日に見る:たとえば「翌月の第2水曜日の昼休み」など、院長の予定に組み込む
  • 前年同月と比べる:前月比だけだと季節変動に振り回されやすい
  • 数字を見たら、ひとつだけ行動を決める:全部を一度に変えようとせず、最も影響の大きいところから手をつける

数字を「見る」だけでなく「動かす」ために

KPIを見ることで課題は見えてきます。ただ、実際に数字を動かすには、スタッフへの共有、業務フローの変更、集患施策の実行など、院内で誰かが旗を振る必要があります。

診療で手一杯の院長が、それをすべてひとりで担うのは簡単ではありません。

Medical Essentialでは、クリニック事務長としての実務経験をもとに、レセコンや予約システムのデータから月次の数字を整理し、院長と一緒に打ち手を決め、実行まで伴走しています。数字の見方がわからない段階からでも、ご一緒できます。

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自院の数字、一度一緒に見てみませんか

「どの数字を見ればいいかわからない」「データはあるが活用できていない」という段階でも大丈夫です。無料相談では、現状をうかがったうえで、まず見るべき数字と改善の方向性をお伝えします。

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AUTHOR

北野 雄也 Medical Essential 代表

医療法人の事務長として、採用・組織づくり・経営改善に携わる。医療コンサルタントとして開業支援から経営改善まで幅広いプロジェクトを担当。事務長の実務経験をもとに、「院長の右腕」としてクリニックの数値管理・組織づくり・業務改善を月額の顧問サポートで伴走している。