スタッフが辞めるクリニックに共通する5つのサイン|事務長の視点で考える定着の仕組み

「求人を出しても応募が来ない。やっと採用できても、半年で辞めてしまう」。

クリニックの院長からいただくご相談の中で、最も多いものの一つがスタッフの採用と定着です。

私は医療法人の事務長として、面接や入職後の面談、スタッフ間の調整に数多く関わってきました。その中で強く感じるのは、スタッフの退職は「突然」ではないということです。多くの場合、辞める前にいくつものサインが出ています。

この記事では、スタッフが辞めていくクリニックに共通するサインと、定着する組織をつくるための仕組みについてお伝えします。

スタッフが辞めていくクリニックの5つのサイン

スタッフが辞めていくクリニックの5つのサイン。院長への報告が減る、特定の人に業務が集中、新人が質問しにくい、評価の基準が曖昧、面談の機会がない

サイン1:院長への報告・相談が減っている

以前はよく話しかけてくれたスタッフが、必要なこと以外を話さなくなる。これは「言っても変わらない」と感じ始めているサインかもしれません。

サイン2:特定のスタッフに業務が集中している

仕事ができる人ほど仕事が集まり、その人が疲弊して辞めていく。クリニックでは非常によくあるパターンです。ベテランが辞めると、その人に頼っていた業務も一緒に失われます。

サイン3:新人が質問しにくい雰囲気がある

「見て覚えて」「前にも言ったよね」。教える側に余裕がないと、新人は質問できなくなり、孤立します。入職から3ヶ月の過ごし方で、定着するかどうかの多くが決まると私は感じています。

サイン4:評価の基準があいまい

「頑張っても給料が変わらない」「何を頑張れば評価されるのかわからない」。評価の基準がないと、スタッフは自分の成長を実感できません。大がかりな人事制度でなくても、何を期待しているかを言葉にするだけで変わることは多くあります。

サイン5:スタッフと一対一で話す機会がない

朝礼やミーティングはあっても、個別に話を聞く場がない。スタッフの本音は、多くの場合、一対一の場でしか出てきません。

定着する組織をつくる3つの仕組み

サインに気づいたら、次は仕組みで予防していきます。定着する組織には、次の3つの仕組みがそろっています。

定着する組織をつくる3つの仕組み。採用の軸をそろえる、受け入れを仕組みにする、対話と評価を続ける

1. 採用の軸をそろえる

「誰でもいいから早く」という採用は、ミスマッチを生みやすくなります。クリニックの理念や大切にしていること、どんな人と働きたいかを言語化し、求人票・面接・見学まで一貫させることが大切です。

2. 受け入れを仕組みにする

入職初日の流れ、最初の1ヶ月で覚えること、困ったときに誰に聞けばよいか。これらをチェックリストやマニュアルとして用意しておくだけで、新人の不安は大きく減ります。教える側の負担も軽くなります。

3. 対話と評価を続ける

定期的な一対一の面談と、わかりやすい評価の基準。この2つがあると、スタッフは「見てもらえている」と感じられます。面談は、院長以外の立場の人が担うことで、より本音が出やすくなることもあります。

院長ひとりで抱えないために

採用・教育・面談・評価は、どれも時間と気力を使う仕事です。すべてを院長が担う必要はありません。

  • 面談や相談の窓口を、院長以外に置く
  • マニュアルや評価表づくりは、外部の力も借りて一気に整える
  • 院長は「どんなクリニックにしたいか」を伝えることに集中する

事務長の実務経験を、貴院の組織づくりに

Medical Essentialでは、クリニック事務長としての実務経験をもとに、求人票の見直し、面接への同席、入職後のフォロー、スタッフ面談、評価制度づくりまで、採用と定着の仕組みづくりを現場で伴走しています。

院内の人間関係に縛られない第三者の立場だからこそ、スタッフの本音をうかがい、院長に届けられることがあります。院長とスタッフの「間に立つ役割」を、外部から担うイメージです。

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「また辞めてしまうのでは」という不安を、ひとりで抱え込まないでください。無料相談では、現在の採用や組織の状況をうかがい、まず手をつけるべきポイントをお伝えします。

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AUTHOR

北野 雄也 Medical Essential 代表

医療法人の事務長として、採用・組織づくり・経営改善に携わる。医療コンサルタントとして開業支援から経営改善まで幅広いプロジェクトを担当。事務長の実務経験をもとに、「院長の右腕」としてクリニックの数値管理・組織づくり・業務改善を月額の顧問サポートで伴走している。