開院から1年、院長が見直すべき5つのこと|「開業後」こそ経営の本番
開業準備の1年間は、物件、資金、内装、医療機器、採用と、目の前のことに追われる毎日だったと思います。そして無事に開院を迎え、気づけばもうすぐ1年。
多くの開業支援は、開院日を一つのゴールにしています。しかし、クリニック経営の本当のスタートは開院した後です。
事務長として院内の運営に携わってきた経験から言うと、開院から1年前後は、立ち上げ期の「とりあえず」を、長く続く「仕組み」に置き換える絶好のタイミングです。
この記事では、開院から1年のタイミングで院長に見直していただきたい5つのことをお伝えします。

1. 事業計画と実績のズレを確認する
開業時に作った事業計画書を、もう一度開いてみてください。計画していた患者数や売上と、実際の数字はどれくらい違うでしょうか。
大切なのは、計画を上回ったか下回ったかよりも、どこがズレたのかを分解することです。新患が想定より少ないのか、再来が続いていないのか、単価が想定と違うのか。ズレの原因によって、2年目にやるべきことが決まります。
また、借入金の返済が本格化するタイミングでもあります。手元資金の見通しもあわせて確認しておきましょう。
2. 集患施策の効果を確かめる
開院時には、ホームページ、看板、内覧会、チラシ、Web広告など、さまざまな施策を行ったと思います。1年経った今、どの施策から患者さんが来ているかを確認してみてください。
問診票に「当院を何で知りましたか」という項目があれば、それを集計するだけでも多くのことがわかります。効果の薄い施策をやめ、効果のある施策に集中することで、同じ費用でも集患の効率は変わります。Googleマップの口コミや情報の更新も、この機会に見直しておきたいところです。
3. スタッフ体制を見直す
開院時に採用したスタッフとの1年間で、見えてきたことがあるはずです。
- 忙しい時間帯に人が足りている、あるいは余っている時間帯はないか
- 業務が特定の人に偏っていないか
- スタッフが不満や不安を抱えていないか
開院から1年前後は、スタッフの退職が起きやすい時期でもあります。立ち上げの緊張感が落ち着き、それぞれが「このクリニックで働き続けるか」を考え始めるためです。このタイミングで一人ひとりと面談の時間をとることをおすすめします。
4. 業務フローを「とりあえず」から「仕組み」へ
立ち上げ期は、目の前の患者さんに対応するので精一杯で、受付・会計・予約・電話対応などの流れが「とりあえず」で決まっていることが多くあります。
1年分の経験がたまった今こそ、待ち時間が長くなる原因、ミスが起きやすい場面、電話が集中する時間帯を洗い出し、業務フローを整える時期です。マニュアル化しておけば、新しいスタッフが入ったときの教育も楽になります。
5. 院長の時間の使い方を振り返る
最後に、院長ご自身の1年間を振り返ってみてください。
診療以外に、どんな仕事に時間を使っていたでしょうか。シフト調整、業者対応、スタッフの相談、請求書の確認。院長でなくてもできる仕事を院長が抱え続けていると、2年目以降、クリニックが大きくなるほど院長の負担も増えていきます。
2年目に向けて決めておきたいこと
- 毎月確認する数字と、確認する日
- 続ける集患施策と、やめる集患施策
- スタッフとの面談のタイミングと担当者
- マニュアル化する業務の優先順位
- 院長が手放す仕事と、任せる相手
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クリニック事務長の実務を知る立場から、数字の整理、集患施策の見直し、スタッフ面談、業務フローの改善まで、院長の右腕として伴走します。他社で開業支援を受けたクリニックや、ご自身で開業されたクリニックからのご相談も歓迎しています。
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AUTHOR
北野 雄也 Medical Essential 代表
医療法人の事務長として、採用・組織づくり・経営改善に携わる。医療コンサルタントとして開業支援から経営改善まで幅広いプロジェクトを担当。事務長の実務経験をもとに、「院長の右腕」としてクリニックの数値管理・組織づくり・業務改善を月額の顧問サポートで伴走している。


